Japanese
English
総説
ミクログリア—機能と病態との関連
Microglia:Fullction in the Pathological State
中嶋 一行
1
,
高坂 新一
1
Kazuyuki Nakajima
1
,
Shinichi Kohsaka
1
1国立精神・神経センター神経研究所代謝研究部
1Department of Neurochemistry, National Institute of Neuroscience
キーワード:
microglia
,
Alzheimer's disease
,
Parkinson's disease
,
multiple sclerosis
,
AIDS dementia complex
,
prion disease
,
ischemia
,
transection
Keyword:
microglia
,
Alzheimer's disease
,
Parkinson's disease
,
multiple sclerosis
,
AIDS dementia complex
,
prion disease
,
ischemia
,
transection
pp.5-16
発行日 1998年1月1日
Published Date 1998/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406901218
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はじめに
ミクログリア22,42,47)と呼ばれる脳のグリア細胞は胎生期から存在し,成熟脳では全グリア細胞の数パーセントを占めるといわれる。この細胞が人々の注意を引きつけたのは,正常脳中では長い分岐した突起を出し,ある間隔で整然と配置しているのに,損傷あるいは疾患時には突起が短く細胞体の大きい細胞に形態変化し,しかも多くの細胞が集積して観察されるからである。この形態的変化は一般的にミクログリアの活性化と呼ばれ,その作用は神経変性,炎症あるいは組織傷害と結びつけられてきた。しかし,そういった活性化ミクログリアの役割や病理学的な意義については今なお理解されたとは言い難い現状である。本稿では,様々な疾患時に見られる活性化ミクログリアを取り上げ,その細胞特性から病態への関与を考察してみたい。
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