Japanese
English
総説
Spreading Depressionと虚血性神経細胞死
Spreading Depression and Ischemic Neuronal Death
飯島 毅彦
1
Takehiko Iijima
1
1杏林大学医学部麻酔科学教室
1Department of Anesthesiology, Kyorin University School of Medicine
キーワード:
spreading depression
,
brain ischemia
,
neuronal death
,
penumbra
Keyword:
spreading depression
,
brain ischemia
,
neuronal death
,
penumbra
pp.18-25
発行日 1998年1月1日
Published Date 1998/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406901219
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はじめに
Spreading Depression(以下,SD)は1944年,当時,ハーバード大学大学院生であったLeáoが発見した脳表に伝播していく脱分極波である1)。この特異な現象は,その後,ある種の頭痛の原因2)あるいは頭痛における脳の電気生理学的現れであるなど,実際の症状との関連が研究されてきた3)。一方,この現象はエネルギー消費を伴う現象であること4)から,脳の代謝と血流のuncouplingがみられる虚血脳では細胞死に至るようなエネルギー不足の原因になるとも考えられ,虚血脳におけるこの現象が細胞障害性に働く可能性が想定されてきた。近年,脳梗塞周辺部でこの現象が確認され5,6),SDと神経細胞障害との関係が検討されるようになってきた。本稿では,SDと虚血性神経細胞死との関連について解説する。
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