Japanese
English
総説
遺伝性筋疾患—病因遺伝子と病態との関連
Molecular Basis of Inherited Muscular Diseases
武田 伸一
1
Shin'ichi Takeda
1
1国立精神・神経センター神経研究所遺伝工学研究部
1Department of Neuromuscular Research, National Institute of Neuroscience
キーワード:
inherited muscular disease
,
Duchenne muscular dystrophy
,
dystrophin
,
congenital nonprogressive myopathy
,
myotonic dystrophy
Keyword:
inherited muscular disease
,
Duchenne muscular dystrophy
,
dystrophin
,
congenital nonprogressive myopathy
,
myotonic dystrophy
pp.735-748
発行日 1995年8月1日
Published Date 1995/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406900822
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はじめに
近年の分子遺伝学の発展により,毎月のように疾患遺伝子座や原因遺伝子そのものが,明らかにされているが,遺伝性の筋疾患もその例外ではない。ここでは,遺伝性筋疾患のうち,最近まで原因が不明であった進行性筋ジストロフィー,先天性非進行性ミオパチー,ミオトニー/周期性四肢麻痺を来す疾患に注目して,それらの疾患の病因遺伝子と病態との関連について,現在の知見をまとめることにする。遺伝性筋疾患に含まれるが,全身の臓器障害の部分症としての骨格筋障害を認めるミトコンドリア異常症,神経原性に骨格筋障害を示す神経原性筋萎縮症,病態から遺伝子異常が比較的理解しやすい代謝性ミオパチーについては別の総説に譲ることにする。
本稿では,まずジストロフィンの発見を契機として,その全貌が明かされつつある進行性筋ジストロフィーについて述べる。続いて,その原因が骨格筋のサルコメア(筋節)を構成する蛋白に求められつつある先天性非進行性ミオパチーについて触れ,最後にミオトニー/周期性四肢麻痺を来す疾患のなかで,遺伝子異常が特異であった筋緊張性ジストロフィーについて述べたい。
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