Japanese
English
特集 線条体:発生・解剖,生理,病態
被殻と四肢運動の制御
Role of the Putamen in Voluntary Movement
浜田 生馬
1
Ikuma Hamada
1
1東京都神経科学総合研究所神経生理学研究部門
1Department of Neurophysiology, Tokyo Metropolitan Institute for Neuroscience
キーワード:
putamen
,
voluntary movement
,
basal ganglia
Keyword:
putamen
,
voluntary movement
,
basal ganglia
pp.723-730
発行日 1994年8月1日
Published Date 1994/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406900667
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I.はじめに
被殻は大脳基底核の主要部分を占める大きな核である。大脳基底核の入り口として広い皮質領域からの入力線維を受け,黒質緻密部や視床中心核からも入力を受ける。細胞の大きさや密度といった形態学的な特徴は広い核内でも均質で部位による差はない。しかし,生理学的な方法で被殻ニューロンの活動を無麻酔の動物でみていくと,部位により特性の違いがあることがみえてくる。
被殻ニューロンの活動と四肢運動の制御,運動学習については昨年の本誌の木村19)の総説にすでに詳しく解説されている。本稿では被殻そのものから離れ,被殻に入力を送る大脳皮質運動野ニューロンの活動,被殻ニューロンの軸索の淡蒼球内節ニューロン上での終止について紹介し,被殻と四肢運動の制御について考えてみる。その前に,簡単に無麻酔のサルを使った実験で得られた被殻ニューロンの活動の特性の基本的な点を紹介する。
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