Japanese
English
特集 随意運動の神経機構—新しい考え方
大脳運動皮質(運動野,運動前野,補足運動野)のはたらき
Functional Roles of Cortical Motor Areas : Primary, Premotor and Supplementary Motor Cortex
丹治 順
1
,
虫明 元
1
Jun Tanji
1
,
Hajime Mushiake
1
1東北大学医学部第二生理学教室
1Departmentof Physiology, School of Medicine, Tohoku University
キーワード:
motor cortex
,
premotor cortex
,
supplementary motor area
,
voluntary movement
Keyword:
motor cortex
,
premotor cortex
,
supplementary motor area
,
voluntary movement
pp.617-626
発行日 1993年7月1日
Published Date 1993/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406900505
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はじめに
霊長類の大脳運動皮質を解説するときに,多くの書はまずWoolseyの古典的なマップを描くことから始める1,2)。しかし35年前の,乏しい実験手法をたよりに描かれたこの図(図1)の概念は,大幅に修正されるに至っている。まず運動前野Premotor cortexの存在が確立され,それは一次運動野の前方で,Brod—mannの6野の外側を占めるが,最近では運動前野をさらに背側と腹側に分けることが妥当とされている。帯状溝下壁には,帯状回運動野Cingulate motorareaが定義され,それらは吻・尾側の2部位に分けられており,およそ24野と23野に相当する。さらに,6野内側面である補足運動野Supplementarymotor areaの存在は定説となっているが,それよりも前方にもう1つの領野,すなわち前補足運動野の存在が言われるに至っている。したがって現在の考え方では,図2のマップが,大脳運動皮質の概念図として妥当といえよう。この章では,これらの領野のうち,運動野(一次運動野),運動前野,補足運動野の3つについて,それらの働きを考察する。
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