Japanese
English
総説
若年性パーキンソニズムの臨床
Clinical Aspects on Juvenile Parkinsonism
石川 厚
1
Atsushi Ishikawa
1
1国立療養所西小千谷病院神経内科
1Department of Neurology, Nishi-Ojiya Hospital
キーワード:
juvenile parkinsonism
,
parkinsonism
,
autosomal recessive
,
hereditary progressive dystonia
,
dopa-responsive dystonia
Keyword:
juvenile parkinsonism
,
parkinsonism
,
autosomal recessive
,
hereditary progressive dystonia
,
dopa-responsive dystonia
pp.517-522
発行日 1994年6月1日
Published Date 1994/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406900641
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
I.はじめに
若年性パーキンソニズム(juvenile parkinsonism:JP)は,40歳未満に発症し,パーキンソン症状を主徴とし,levodopaの効果が明らかな一群を指す1)。発症年齢を40歳で区切ったのは人為的作業であるが,われわれが経験した遺伝性JPは図1に示すように40歳を境に発症がみられなくなっており,また20代,30代に発症したパーキンソン病(Parkinson's dis—ease:PD)の若年発症例は高齢発症例に比べてlevodopaに対する反応や臨床経過に特徴がみられることなどから,40歳を境界とすることは妥当と考えられる。20歳未満の発症例のみを遺伝性JPと規定しようとしたQuinnら2)の提案はわれわれの症例から判断すると適切でないと考えられる。
パーキンソニズムを主徴とすることに関しては,JPの症状の特徴の1つにジストニアがあり,症例によってはジストニアがパーキンソン症状と同等に認められるものがある。遺伝性進行性ジストニア(Heredi—tary progressive dystonia:HPD)3)はパーキンソン症状もみれら,睡眠による症状の改善(日内変動)など遺伝性JPと類似した所見もみられるが,ジストニアを主徴とすることなどから近年JPと区別して扱うことが多い。
Copyright © 1994, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.