連載 症候学メモ・43
パーキンソニズムの頸部筋強剛
平山 惠造
1
1千葉大学神経内科
pp.758
発行日 1988年8月1日
Published Date 1988/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406206156
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◆パーキンソニズムとはパーキンソン病にみられるような臨床病態像をさしている。従って,時にはパーキンソン症候をさすこともあり,時にはそのような症状を呈する疾患をさしていることもある。ここではその中でも筋強剛(固縮)に関連して述べようと思うが,四肢のことについては省略する。
◆さてここで問題にするのは頸である。パーキンソニズムは,症候が一肢に限られている時期があるが,やがて広汎に四肢をおかすようになる。左右両側性に筋強剛がみられるようになったとき,頸にも必ず筋強剛がみられるのがパーキンソニズムの特徴である。頸部筋強剛のみられないパーキンソニズムはないというのはこれをさしている。ところが意外にこの頸部の筋強剛の有無を見落していることが多い。それらしき患者について,手足については筋強剛はいろいろとよく診てあるのだが,いざ聞いてみると頸部の観察が不十分であることがままある。
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