連載 症候学メモ・45
めまい患者と頸部筋強剛
平山 恵造
1
1千葉大学神経内科
pp.969
発行日 1988年10月1日
Published Date 1988/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406206193
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◆「めまい感」を訴える患者の中に,ときとして頸部の筋強剛を思わせる固さをもっているものがいる。真性めまいの起っている状態であれば,患者は横臥して,首を動かされることを極度にいやがるものがいるが,めまいの発作を呈している状態でないときに診察してみても,頸に固さをもっているものがいる。
◆この種の患者では「めまい感」に対する一種の恐怖心をもっていて,頭を動かされるのをこわがっている。歩行中の頸の姿勢や,横臥しようとするときの上半身から首にかけての動きをみていても,特に体軸の筋強剛がありそうにもみえないのに,さて患老の首を持って頸部のトーヌスをみようとすると,頸が固いのである。
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