書評
—二木 立(代々木病院リハビリテーション科顧問・日本福祉大学教授) 上田 敏(東京大学教授・リハビリテーション部)—脳卒中の早期リハビリテーション—これからの考え方と進め方
高木 誠
1
1東京都済生会中央病院神経内科
pp.914
発行日 1987年10月1日
Published Date 1987/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406205981
- 有料閲覧
- 文献概要
このたび医学書院から,二木立氏と上田敏氏のお二方による「脳卒中の早期リハビリテーション これからの考え方と進め方」が発行された。本書はお二人の対談形式でまとめられているが,主に上田氏が聞き手となり,二木氏が代々木病院のリハ病棟で実践されてきた脳卒中の早期リハに対する考え方とその実際を述べる形となっている。私は二木氏と同様に,都会の第一線病院で脳卒中患者の診療にあたる医師の立場から,この本を読んで考えさせられたいくつかの点につき,感想を述べてみたい。
著者達が本書を著された目的は,上田氏がまえがきの中で述べているように,これまで脳卒中のリハビリテーションのパラダイムとされてきた"温泉地型"のリハを早期リハを中心とする"都市型"のリハに転換させることにある。お二人はこのテーマに対し,共通した問題意識を持たれており,本書を通読すると,脳卒中のリハにおける発想転換をねらわれるお二人の強い情熱を感じることができる。そして本書を読み終わった後に,読者に脳卒中のリハというものを考え直させるという点で,多大の影響力を持っており,著者達の目的は見事に成功していると言えよう。特に著者達が本書で強調されている点は,私なりに解釈すると,下記の二点にまとめられると思われる。
Copyright © 1987, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.