書評
—訳 大西晃生 納 光弘 岡崎春雄—臨床神経学の基礎 第2版 メイヨー医科大学教材
里吉 営二郎
1
1国立精神神経センター神経研究所
pp.922
発行日 1987年10月1日
Published Date 1987/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406205983
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メイヨー・クリニック,メイヨー医科大学の神経学教授4名によってまとめられた「臨床神経学の基礎」改訂第2版がメイヨー・クリニックで研究生活を送った大西,納両先生とメイヨー医科大学の神経病理の岡崎春雄教授の3名の方々の努力でその訳書が出版された。原本の表題は「Medical Neurosciences」,医学の中の神経科学としてあるが,副題としては「システムと局所レベルの両面からの解剖学,病理学および生理学概論」がつけてある。
神経疾患の診断をするに当っては病変の解剖学的広がり,病理学的性質,さらには生理学的ないし生化学的特徴を理解することによって初めて正確な診断が可能となる。私が神経学を始めた30年前には神経学の教科書も僅かで,診断学についても少なく,局所診断学については解剖,病理を主体としてHaymakerの名著があるのみであった。その後臨床神経学や神経学の基礎に関しては多くの本が出版されるようになったが,この「臨床神経学の基礎」も1978年初版が出され,大変な名声を得ている。
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