書評
二木立 佐々木病院リハビリテーション科顧問・日本福祉大学教授 上田敏 東京大学教授・リハビリテーション部―脳卒中の早期リハビリテーション これからの考え方と進め方
横山 巖
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1神奈川県総合リハビリテーションセンター七沢リハビリテーション病院脳血管センター
pp.180
発行日 1988年3月10日
Published Date 1988/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552105784
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脳卒中に罹った患者の中,急性期死亡は2割,TIA,RIND等3週以内に麻痺が自然治癒するもの2割,運動障害の無いくも膜下出血が5%で,全体の約5割が基本的リハの対象となる,と本書の中で二木氏は述べておられるが,このようなデータすらもわが国では中々得難いものであった.昭和40年台の前半まではリハ医療の行われる場は国立療養所をはじめとする温泉地につくられた病院が主であったので,急性期からリハ医が脳卒中診療に携わる機会に乏しかったからである.
10年間に亘る二木氏の脳卒中急性期からのリハ医療のお仕事から得られた知見をまとめられたのが本書であるが,上田敏教授の適切な指導と相まって,素晴らしい知見が全篇にちりばめられており,実地の臨床に大いに役立つ良著となっている.
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