連載 症候学メモ・11
Wilson病と高身長
平山 惠造
1
1千葉大学神経内科
pp.1093
発行日 1985年11月1日
Published Date 1985/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406205613
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◆筆者の限られた経験からみて,Wilson病患者の中でも,青年に達した男性患者ではどうも身長が高いように思われる。少なくとも,日本人としては背の高い部類に属すると思われる170〜180cmの患者が,両親や同胞が極く普通の身長をもった家族の中にみられるので,このような印象をもつのかもしれない。女性患者でやや高めと思われることがあるが,男性ほどには目立たない。男性でも10歳前後の小児の患者ではそのような印象をもたない。
◆Wilson病,すなわち肝レンズ核変性症には狭義のWilson型(進行性レンズ核変性症)とWestphal—Strumpell型(仮性硬化症)との2つのタイプがある。その詳細については触れないが,前者は小児期に,後者はそれより遅く思春期に発病する傾向をもっているが,これと身長との関係はわからない。また身長については成書にも特に書かれていない。
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