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あとがき
塚越 廣
pp.415
発行日 1985年4月1日
Published Date 1985/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406205504
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4月号が発刊された。本誌の毎月の目次をみても,その他の本邦の神経学専門誌をみても,欧米の新しい傾向の研究主題,新しい研究法,機器に基づく論文をみることが少なくない。本邦の医師が欧米の新しい研究傾向に敏感で,積極的にこれをとりいれてゆこうとする意欲の強いことが分かる。新しい方法や機器の進歩により,多くの新しい知見が生まれ,科学が進歩することは,CT,NMRの開発に伴う神経学の進歩,生化学的分析法,モノクロナール抗体の発展に伴う遺伝子病の進歩と代謝性および遺伝変性性神経疾患の変貌をみれば明らかであろう。
しかし新しいことをとりいれて,さらにこれを発展させ,本邦独自の研究法,研究分野が開発されているかと問われると,少くとも臨床の分野では否定的な答えを出さざるを得ない。これには日本における西洋医学の歴史や本邦人の特性などいろいろ関連のあることがあろうが,我々医師の側にも問題があるように思われる。
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