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あとがき
塚越 廣
pp.1240
発行日 1966年12月1日
Published Date 1966/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406202153
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外国の雑誌に投稿するため外国語で論文を書こうとすると,語学のあまり得意でない私の場合などには莫大な労力と時間と忍耐とが必要となる。この労苦も論文がでると報われたような気がするのは,その反響が大きいためであろう。これは日本語で書いた論文の反応がわずかであるのとよい対照をなしているように思う。
この反応の相違は外国の人達が日木の論文に関心がないためかというと,けつしてそうではないようである。パリの某病院の医師は医局の雑誌閲覧室に並べられた「脳と神経」誌をめくりながら,「私は日本の医学論文に大変興味をもつている。しかし遺憾ながら日本語は読めない。」と話していた。欧米の人達にとつて日本の文字をみることは,われわれ日本人がアラビア文字に初めて接するのと同様に奇妙なものであろう。
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