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あとがき
塚越 廣
pp.943
発行日 1983年9月1日
Published Date 1983/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406205193
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某教授の退官記念講演の席上できいた話しであるが,「基礎系の医学者でも55歳を過ぎると,自ら研究し,これをオリジナルな論文とする時間は少なくなる」ということであった。研究に没頭し得る基礎系の研究者でも,ある年齢をすぎると,人を指導して論文を書かせることはあっても,自ら研究し,自ら論文を書きあげる時間をもつことは,かなり制限されてくるものであろう。
臨床系の場合は,時間の不足はより深刻なようであり,年と共に研究する時間,論文を書く時間がなくなり,何とかしなければと思いつつも,不可能なままに流されてしまう。貴重な症例をみて,是非論文としてまとめたいと思い,受持医に頼んでも,書く方の側はのんびり構えて腰を上げず,そのまま埋もれてしまう場合も少なくない。
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