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あとがき
高倉 公朋
pp.721
発行日 1984年7月1日
Published Date 1984/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406205355
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医学部に入学した私にとって初めての授業が,小川鼎三先生の解剖の系統講義であった。丁度30年前のその日が昨日のようにはっきりと記憶に残っているが,先生のお人柄が偲ばれる,物静かで落ちついた,しかもわかり易い講義であった。解剖の実習室でも,毎日のように回って来られて,私がなかなか見つけられない小さな神経や筋肉等を,きれいに分けて示して下さったのも懐しい想い出である。優しい先生であったという印象が特に強く残っている。
本誌の編集顧問として,永い間御尽力頂いた小川鼎三先生が,去る4月29日ご逝去された。わが国の医学会,とりわけ神経科学を学ぶ者にとっては誠に残念なことであった。
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