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あとがき
金光 晟
pp.1259
発行日 1983年12月1日
Published Date 1983/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406205242
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今年の最終号をおとどけする。今月は東京医科歯科大学の石塚典生氏からの総説をいただいた。ニューロンの形態研究史にもふれて面白く拝見させていただいた。小脳皮質細胞に名を残したプルキンエは組織学にその本領があるらしく,原形質protoplasmaが彼の造語であることは余り知られてない。
脳解剖で苦労するのは学生だけでなく教官もその例外ではない。一般解剖の方は早くから骨格系,筋系,消化器系といった機能系列別の記述が早くから整備されていたようである。最近アラビア語原典から邦訳されたアヴィケンナの「医学典範」(10世紀)にはもうこの記述体系がとられている。アラビア医学はギリシャ医学を継承したといわれるから,一般解剖における機能系列別の記述様式というのは随分古いものであるらしい。
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