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特集 重症筋無力症—臨床と病因
重症筋無力症の臨床—近縁疾患を含む分類と臨床評価
Myasthenia gravis : lts clssification including allied diseases and clinical assessment.
宇尾野 公義
1
Masanori Uono
1
1東京都立神経病院神経内科
1Department of Neurology, Tokyo Metropolitan Neurological Hospital
pp.867-878
発行日 1980年9月1日
Published Date 1980/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406204636
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はじめに
重症筋無力症(Myasthenia gravis, MG)はその名のごとく生理的範囲を越えた骨格筋の易疲労性,脱力,麻痺状態であり,症状に日内変動があり,女性では性周期による増悪,寛解もあり,しかも安静休息あるいは適切な治療により,程度の差はあるが,なんらかの改善がみられるきわめて特徴ある疾患である。
本症については最初の報告例からすでに300年の歴史を有しながら,いまだその本態について不明の点が多く,また個々の症例についての適切な治療法も決定されておらず,多くは長期慢性経過をたどりながら症状は一進一退し,しかも予期しない急性増悪crisisを生ずる頻度も高く,脱力麻痺とくに外眼筋麻痺の固定化,球症状の難治性,筋萎縮合併例の対策などなお多くの問題をかかえている。緊急時に対する呼吸障害の管理対策などの進歩により,死亡率はかなり減少したが,依然難病の域を脱却しえない状態である。
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