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はじめに
重症筋無力症(MG)の治療は胸腺・リンパ球を中心とする免疫学的研究に加えて,神経筋接合部の形態学的異常,さらにアセチルコリン受容体(Ach-R)抗体測定法の開発および臨床的意義の解明により新らたな段階を迎えた。すなわち従来の抗コリンエステラーゼ(ChE)剤,副腎皮質ステロイド,その他の免疫抑制剤,胸腺摘出術,胸腺コバルト照射などになお抵抗するいわゆる難治型(brittle type),あるいはクリーゼを反復したり,頑固な球症状を示す管理困難型,急激な呼吸障害を伴なって悪化する激症型などの症例に対し,血漿交換やリンパ管ドレナージを行なって,血清免疫抗体の排除を目的とする方法がとられるようになった。とくに血漿交換法はたとえ有効期間は短いにせよ,一過性に劇的改善を示し,救命救急的意義をも有し,その後のMG治療経過を有利に導き,あるいはこれが一つの転機となって今まで抵抗性を示したステロイド治療その他の免疫抑制剤が有効性を示してくる場合も見られる。
It is well known that the most common methods of treatment for myasthenia gravis are anticholinesterase, high dose corticosteroid and other immunosuppressants, operative or radiation thymectomy, and so on. We nevertheless encounter from time to time, the types of cases where symptoms resist the above mentioned treatments. These cases are known as the brittle type.
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