書評
—八瀬善郎(和歌山医科大学教授) 荒木淑郎(宮崎医科大学教授) 編集—(臨床遺伝学叢書)⑥神経・筋疾患の遺伝
佐藤 猛
1
1順天堂大学
pp.620
発行日 1979年6月1日
Published Date 1979/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406204430
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神経疾患には病因や発症機序不明の慢性進行性のものが多くあり,そのため神経難病とも呼ばれている。例えば進行性筋ジストロフィー症,筋萎縮性側索硬化症,脊髄小脳変性症,多発性硬化症などであるが,近年臨床病理学,生化学,免疫学などの進歩に伴ない少しずつではあるが疾患本態が解明されつつある。
臨床遺伝学的研究方法も重要であり,疾患概念の確立,あるいは病因との関連において人きな役割をはたしている。それにもかかわらず本邦ではこれまでに適当な単行書がなかつたので,極めて時宜を得た出版といえる。各疾患ごとに具体的な家系や遺伝形成が呈示されており,病理学的所見や臨床症状などが簡潔に解説されていることも本書の特徴である。
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