書評
—高橋 睦正 著—Atlas of Carotid Angiography
鈴木 宗治
1
1東京医科歯科大学
pp.961
発行日 1977年9月1日
Published Date 1977/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406204127
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秋田大学医学部放射線科教授高橋睦正先生の新著Atlas of Carotid Angiographyは,さきに出版されたAtlas of Vertebral Angiographyの姉妹編といえるもので,500頁にわたり非常に美しくかつ内容豊富な脳血管像800図を載せた英文大著である。一読してまず強い印象を受けるのはAtlasとしての生命である図の鮮明さと解説の明解さという絶対的条件を完全にみたしていることであり,また現在まで内外において出版されたAtlasのうち最も完成度の高いものであるということである。このことは著者の永年にわたる拡大脳血管撮影に関する研究の成果を示すものであると同時に,文献的考察を含めて良く整理された豊富な資料を有する著者においてはじめて可能な業績ということができる。
著述の方針は,著者自身も述べているが,第1に頸動脈撮影の基本的概念の解説,第2に神経放射線診断学をあつかつた初歩的な教科書と高度な文献的知識との間の橋渡し,第3に著者のもつとも得意とするカテーテル脳血管撮影ならびに拡大脳管撮影の成果を世に間うという3点に主眼をおいている。
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