ご存知でしようが
脳腫瘍の硼素中性子捕捉療法と免疫療法との関連
畠中 坦
1
1帝京大学脳神経外科
pp.218-219
発行日 1977年2月1日
Published Date 1977/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406204027
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この3年間,春と秋の学会シーズンにいつもなにかの国際学会がかさなつたため日本内地での学会にまつたく発表せず,ご存知ない方も多いと思われるので敢えて「棚素中性子捕捉療法のその後」について記させて頂く。
腫瘍の治療の中心的役割を果すのは免疫であることに異論を唱える人は今日少ないと思うが,さて免疫療法だけでは腫瘍は治らず,必らず,先ず「外科的切除」とか「放射線療法」とかで腫瘍細胞数を108〜106個以下に減らしてやらなくては,リンパ球や免疫抗体も腫瘍と太刀打ちできない。「薬物療法」はこれまでのcytotoxic(細胞毒)なものでは免疫抑制の方が強く効いて来るので"Immunochemotherapy"などと称している人もあるが多くを期待はできない。実際には「免疫が奏効するためには手術もしくは放射線が前提条件となる」。このことは免疫療法として自家腫瘍抗原による能動免疫,胸腺移植・化学物質による人工的アナフィラキシー刺激,BCGなどを過去12年間研究して来た私自身の臨床経験とも一致する。
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