Japanese
English
書評
—C. W. Needham 著 半田譲二 訳—症候よりみた脳神経外科学
Neurosurgical Syndromes of the Brain
喜多村 孝一
1
1東京女子医科大学
pp.886
発行日 1975年8月1日
Published Date 1975/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406203757
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
本書は「訳者のことば」に述べられているとおり神経系全体を包括した診断学書ではない。脊髄,末稍神経,筋は除外し脳に限定している。その意味では,表題として「症候よりみた脳神経外科学」よりも「症候よりみた脳外科学」の方がふさわしいかも知れない。しかし,脳外科系という学問が本当にあるのかどうかは甚だ疑問である。
さて,脳疾患の神経学的診断には,神経外科的あるいは神経内科的という区別はないはずである。ハンマー,針,毛筆を使つて行なう神経学的検査は,対象患者が外科的疾患であろうが内科的疾患であろうが異なるものではなく一本である。それをあえて「症候よりみた脳神経外科学」(原著名Neurosurgical Syn—dromes of the Brain)と表題をつけられたのにはそれなりの理由がある。対象を脳神経外科的疾患にしぼつていることも理由の一つであろうがそれだけではない。
Copyright © 1975, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.