書評
—B. Jennett 著 杉浦和朗・塚本 泰 訳—脳神経外科学
喜多村 孝一
1
1東京女子医科大学
pp.121
発行日 1979年2月1日
Published Date 1979/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406204365
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本書はいくつかの特徴をそなえた脳神経外科の教科書である。
特徴の一つは,図・写真が比較的少なく,論述が雄弁に読者に語りかけることである。近年は図・写真を多数掲げ眼で見ることに主力をそそいだ書物が多くなつてきたが,本書は見る本でなく読む教科書である。その意味ではあるいは時代逆行と言えるかも知れないが,いかにも保守的な英国調の書物である。そして,訳者が「あとがき」で述べておられるように,著者Jennettのハンマーとライトによる神経学的検査が脳神経外科診断の大きな柱であるとする哲学が,本書を貫いている。
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