紹介
—W. Schulte,R. Tolle 著—Psychiatrie
下坂 幸三
1
,
飯田 真
1
Kozo Shimosaka
1
,
Shin Ihda
1
1順天堂大学医学部精神医学教室
1Aus der Psychiatrischen Klinik der Medizinischen Fakultät der Juntendo Universität
pp.866-870
発行日 1972年9月15日
Published Date 1972/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405201939
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W. SchulteとR. Tolleの著わしたこの新しい精神医学教科書は,大冊の教科書とコンペンディウムの間に位置する中位の大いさの教科書であることをめざしたのであるという。本文は349頁。薄紙の表紙でSpringer書店らしからぬ簡単な装幀である。
W. SchulteはE. Kretschmerの後をうけて,1960年Tubingen大学の主任教授となり,爾来ドイツ精神医学界において指導的役割を果たしてきた。彼の主要研究領域はてんかん,躁うつ病,嗜癖,老人精神医学,病院精神医学,精神療法など多岐にわたっている。広範な視点,独自な逆説的発想,鋭い臨床的洞察と暖かな臨床的実践が彼の身上であり,彼は本書においてではないが,かつて評者宛の私信で,自らの立場をkonstellative Psychiatrieとよび,「差し当って原因との関係を詮議せず,身体的,心理的,社会的な所見を同時に記載し,これらの関連を冷静に直視することである」とのべている。
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