症候群・徴候・10
Foville (フォヴィル)症候群
平山 恵造
1
1順大脳神経内科
pp.378
発行日 1974年3月1日
Published Date 1974/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406203524
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今日では多くの場合,側方凝視麻痺とFoville症候群とをsynonymeに用いているが,元はといえば,脳橋病変による一つの特異な交代性片麻痺を指している。顔面と上下肢の麻痺が反対側に起こる脳橋病変による交代性片麻痺がMillard (ミャール)とGubler (ギュブレル)により1856年に注目されて間もなく,1858年にFovilleは更にそれに「極めて奇妙な眼球運動障害」を伴なう例を報告した。すなわち,左顔面,右上下肢の麻痺に,左方凝視麻痺を呈するものである。これは後に下部脳橋型Foville症候群と呼ばれるものであるが,Foville症候群の原型である。
このような特殊な交代性麻痺にFovilleのeponymeをつけたのはGrasset (1900)であるが,同時に彼は中脳型,及び上部脳橋型Foville症候群を記述した。
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