発行日 2002年11月1日
Published Date 2002/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2003099193
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72歳男.左上下肢の脱力と歩行障害を主訴とした.右末梢性顔面神経麻痺と左不全片麻痺に加え,右側への側方注視麻痺を認めたことから,Millard-Gubler-Foville症候群と診断した.頭部MRI T2強調画像で橋下部の右側傍正中部に脳表より伸びる楔型の高信号を,拡散強調MRIにて橋下部の右被蓋部に高信号を認め,MRAにて脳底動脈の前下小脳動脈分岐部直前に高度の狭窄を認めことから,梗塞巣がbranch atheromatous disease(BAD)により発現したことが示唆された.抗凝固療法により右側方注視麻痺は改善したが,左失調性片麻痺と右末梢性顔面神経麻痺は継続しており,リハビリテーション目的で転院となった.以上より,進行する脳幹症候群ではBADにも留意して治療すべきであると考えられた
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