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小児のB.scanについてはDavid(Am. J. Dis. Child. 112:197,1966),Mealey (J. Pediat.69:399,1966)らの少数の報告があるにすぎないので,著者らはTexas大学小児科3.5年の経験を報告した。生後8日〜14歳の97例に99scanをとつた。はじめChlormerodrin203Hgを使つたが最近は少数例Chl—ormerodrin 197Hgを10μc/kg,scan—ning 2〜4時間前に与え,photoscanとpaper dot scanをともにとり,まずlateral scanで見当をつけ,ついでant.およびpost. scanをとつた。時間は35〜40分の時点をえらぶ。かくしてpositive scan22個を得た。うち9例は腫瘍が確かめられ,さらに1例腫瘍と判定されたが精査の終らぬうち退院した。この他positiveに出たのは脳膿瘍(4例),脳動脈血栓(2例),硬膜下出血(1例),海綿状血管腫(1例),動静脈瘻(1例)があつた。false-po—sitive 3例はmeningoencephalitis,seizure disorder, leukodystrophy各1例。false-negative 8例は確実なる天幕下腫瘍(2例),手術不能の脳幹glioma (4例),硬膜下血腫(1例),脳血管障害(1例)など。こうして他の諸検査で47例が腫瘍を疑われscanをとつたが,positive 13例,false negative 6例,negative 28例であり,このnegative 28例は精査の結果腫瘍でなく,false negativeは上記のごとくであり,positiveで腫瘍でなかつたのはやはり上述した通りであつた。腫瘍のscanningによる発見には,その部位,大きさ,組織像が関係するので,天幕上腫瘍診断が最も確実である。天幕下腫瘍でnegativeだつたものは気脳法で腫瘍と決定した。先のDavid,Mealeyらにも天幕下の小脳medulloblasto—ma,橋gliomaなどnegative例あり。膿瘍その他の非腫瘍性疾患の診断におけるscanningの価値は目下のところ確立されていない。
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