呼と循ゼミナール
心筋スキャン
友田 春夫
1
,
岡部 真也
1
1東海大学医学部内科
pp.890
発行日 1976年10月15日
Published Date 1976/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202966
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以前から特に虚血性心疾患の部位診断を目的として,アイソトープによる心筋スキャンの試みがある。心筋スキャンは大別して,虚血部をcold spotとして表現する43K,81Rb,201T1など正常心筋にとりこまれる核種を用いる方法と,硬塞部に集中する性質を有する99mTc-tetracycline,99mTc-pyrophosphateなどのtechnetium−99mcomplexを主として用い,硬塞巣をhot spotとして表現する方法に大別される1)。これらの核種にはそれぞれの長所,短所があげられ,将来はさらに優れたものが出現することが予想されるが,現時点で最も広く用いられているのは,99mTc-pyrophosphat (以下99mTc-PYP)と201T1(thallium−201)であろう。われわれもこれらを約100例の症例に用い,その有用性を認めているので,その臨床応用面を中心に述べてみる。
99mTc-PYPが心筋硬塞巣に特異的に集まるmecha-nismsとしては,硬塞部心筋ミトコンドリアに集積するCaに対し親和性があるためとされ,発作後12〜48時間後に最もよく硬塞巣が描出される2)。
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