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あとがき
塚越 廣
pp.852
発行日 1967年8月1日
Published Date 1967/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406202265
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文献を調べていて気になることは,学会発表はしてあるが,その後いつになつてもまとまつた論文として印刷されないものが大変多いことである。これは自身にも思いあたる点が多いし,なにもわが国にかぎつたことではないかもしれないが,特にわが国に多いように思われる。先日もある日本独自の問題に関する医学論文を調べてみたら,論文として書きあがつたものよりも,学会発表のままでほうつてあるもののほうが多かつた。
これにはいろいろの原因があると考えられる。さきにもこの欄でとりあげられたような,わが国において学会の数が多すぎることにも一つの原因があろう。最近の傾向として,学会があるから演題を出さねばならぬと考えがちであり,まだ完全にまとまつていない仕事の途中でも,演題として発表される機会が多くなり,それだけまとまつた論文として発表されるものは少なくなることになる。
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