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あとがき
臺 弘
pp.736
発行日 1967年7月1日
Published Date 1967/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406202250
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神経科領域でも他の諸領域と同じく毎年数多い新薬が開発され,本誌には毎号薬剤使用経験の報告がよせられている。このような報告は臨床雑誌には欠くことのできない貴重なものであつて,読者はそれによつて治療の新しい発展に接することができるのである。医学書院の行なつたアンケート調査でも,勤務医が新薬を知るのは臨床専門雑誌が一番多い由である。
薬剤の臨床的効果の判定には十分な対照をそなえたcontrolled studyが必要なことは,今では常識になつている。神経科関係の薬剤にはplacebo効果や自然治癒を考慮する必要が殊に大きいから,このことは特に重要である。砂原茂一博士や高橋晄正博士が,わが国の医学雑誌に載る論文には薬剤の治療効果判定がひどく甘く,厳密な批判に耐えられるものの少ないことを再三指摘されていることもよく知られていることである。
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