Japanese
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特集 神経生理
中枢性抑制に対する脳の機序
BRAIN MECHANISM FOR CENTRAL INHIBITION
Horace W. Magoun
1
,
時実 利彦
2
1Graduate Division, Dept. of Anatomy, Brain Research Institute, Univ. of California
2東大医学部脳研
pp.729-733
発行日 1963年8月1日
Published Date 1963/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406201513
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神経生理学に,抑制inhibitionの概念が最初に導入されたのは1845年であつて,Weber兄弟1)が迷走神経を電気刺激すると,心臓の拍動が遅くなつたり止つたりすることを観察した実験にはじまる。
その後1862年には,Sechenov2)がカエルの脳を刺激して脊髄反射が抑制されることを実験的に証明し,中枢性抑制の概念を提示した。その頃,医学生であつたPavlov3)は,この実験をまとめたSechenovの"Reflexes of the Brain"(1866)から深い感銘を受けたようで,唾液や胃液の分泌に対する精神的影響について研究をはじめ,これが条件反射学の体系づけにまで発展したのである。そして,彼の条件反射学における重要な根本原理は内抑制internal inhibitionの概念である。
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