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スペインBarcelona大学脳外科20年間の確実な脳腫瘍1178例では,glioma 482例(40.9%)でCushing(1932)に近い頻度だが,Adson(1959), Olivecrona (1952), Grant(1956)などより低頻度であつた。これは著者らに脳幹などの未定の腫瘍が少なくなかつたためであろう。さて,このグの組織学的分類ではastrocytoma 17.5%, ependymo—ma 9.1%, Oligodendroglioma 8.5%,Spongioblastoma 5.0%, me—dulloblastorna 6.4%, glioblasto—ma 51.0%となり,この頻度はCu—shing, Grant (前出)に比べると,著者例にgliobl.がかなり多く,ependym. oligo.がやや多く,他方astro.がかなり少なく,medullo.がやや低率であるといつてよい。手術は大脳astro. 37例すべて,うち3例は再手術。小脳astro. 47例中46例手術,うち6例は2回,1例は3回手術した。大脳astro.手術死16%,小脳astro.手術死10%は,著者の全手術glioma中最も好成績であつた平均生存期間は大脳astro. 1.3年,小脳astro. 7.8年で,小脳astro.が手術にもつともよく適し,手術が最もよい成績を収めうるgliomaであるということになる。oligo.手術40例,epend.43例の手術死は30%で,平均生存は2.8〜5年である。これは小脳astro.につぐよい成績である。これに反し,spongio.手術23例では11例(47.8%)が手術死をとげた。術後の照射の効果をうかがうに,照射によつて生存期間が著明に延長した腫瘍はない。いくらか,しかし有意に延長したのはgliobLついでspong—io.とoligo.あつたが,大脳astro,epend.は全く照射の効果を見出しえなかつた。Glioblでは腫瘍完全別除も不完全剔除も,生存期間は同じであつた。
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