Japanese
English
特集 悪性脳腫瘍に対する最近の治療
2.Low Grade Glioma
Treatment for Low Grade Glioma Focusing on Grade II Glioma
嘉山 孝正
1
,
毛利 渉
1
,
櫻田 香
1
,
佐藤 慎哉
1
Takamasa Kayama
1
,
Wataru Mouri
1
,
Kaori Sakurada
1
,
Shinya Sato
1
1山形大学医学部情報構造統御学講座神経機能再生外科学分野
1Department of Neurosurgery, Yamagata University School of Medicine
キーワード:
low grade glioma
,
surgery
,
radiation
,
therapy
Keyword:
low grade glioma
,
surgery
,
radiation
,
therapy
pp.1035-1042
発行日 2005年12月1日
Published Date 2005/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406100104
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はじめに
Low grade glioma(LGG)は一般的には,high grade gliomaがmalignant gliomaという感覚から,‘low'ゆえにbenign gliomaという印象がある。しかし,WHOの悪性度分類ではLGGにgrade I,II gliomaが含まれる14)。基本的に手術により治癒可能なgrade I はbenign gliomaといってよいものであるが,50~70%が最終的に腫瘍死し7),平均生存期間も5~10年程度であるgrade II gliomaは悪性脳腫瘍のカテゴリーに入るべき疾患である7,18,28,37)。本稿では誌面の都合でgrade II gliomaの治療に限定し紹介することとする。LGGの予後因子に関して,さまざまなもの(年齢,神経症状,腫瘍体積,組織型,手術のタイミング,手術における摘出率,放射線治療の有無など)が検討されているが,明らかな予後因子として受け入れられているものは現時点では年齢と組織型だけである12,27,40,41)。
治療法も,生検術の後の経過観察から手術,放射線治療まで様々な報告があるが,randomized controlled trial(RCT)が行われていないため明確な治療法は確立してしない。
したがって,現時点での治療法はClass III evidenceに基づくものであるが,比較的最新の文献をレビューし,最近の治療法に関してわれわれの治療の考え方と併せて紹介する。
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