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特集 脳腫瘍の病理
〔6〕髄膜腫Meningiomaの組織像について
HISTOLOGICAL STUDIES OF MENINGIOMA
稲葉 穣
1
Yutaka Inaba
1
1東京医科歯科大学第2外科
1The 2 nd Dept. of Surgery Tokyo Medical and Dental Univ. School of Medicine
pp.675-686
発行日 1962年8月1日
Published Date 1962/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406201300
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はじめに
いわゆる髄膜腫meningioma (以下Mg.と略す)の病理組織像については古くからその解釈について諸説があり,その種々の組織成分の多様性は,肉眼所見のほぼ一様であるのに対蹠的であることが,Mg.なる腫瘍の範籌,発生源,分類や命令法に異論がある一因をなしている。
Mg.の腫瘍細胞の起源を正常髄膜細胞に求め,あるいは髄膜の胎生学的各段階,各分野にMg.の組織像との類似を求め,あるいは髄膜の発生母組織,発生源を三胚葉のいずれかに求めてMg.の性格を論議しようとするなど,多くの病理組織学的研究があるが,また一方,髄膜の発生学的研究にも諸説があつて,なお統一をみない。
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