Japanese
English
特集 脳の生化学
痙攣の生化学的研究
SOME METABOLIC ASPECTS OF CONVULSIONS
成瀬 浩
1
,
黒川 正則
1
,
秋元 波留夫
1
Hiroshi Naruse
1
,
Masanori Kurokawa
1
,
Haruo Akimoto
1
1東京大学医学部精神医学教室
1Neuropsychiatric Department, Tokyo Univ. School of Medicine
pp.463-470
発行日 1962年6月1日
Published Date 1962/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406201261
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はじめに
本日のテーマは,痙攣の生化学ということであるが,綜説としてではなく,われわれが今まで行なつてきた研究の結果を中心として報告したい。痙攣という特殊な状態を,生化学的研究の対象として選んだのは,臨床的必要性が第1の理由であるが,第2の理由としてはこういう病的で,しかも比較的その現象を適確につかまえやすい過程の生化学的研究をとうして,まだほとんど解明されていない脳の機能と代謝の関係というテーマに多少でも寄与したいということが目的なのである。
こういう点から痙攣の生化学的研究を考える場合,次の2方向が目標となつてくる。第1は,痙攣という病的過程に伴なう脳諸物質の変動の組合わせの追求,つまり化学的生理学ともいうべき方向であり,第2は痙攣の起こりやすさを規制するメカニズムについての,代謝的な研究を主とする方向である。
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