Japanese
English
一般演題
5 イオン組成とAChの遊出
Ionic Milieu and Release of Acetylcholine from Brain Particulate Fraction
黒川 正則
1
,
加藤 誠
2
,
町山 幸輝
2
,
坂本 哲彦
2
,
秋元 波留夫
2
Masanori Kurokawa
1
,
Makoto Kato
2
,
Yukiteru Machiyama
2
,
Tetsuhiko Sakamoto
2
,
Haruo Akimoto
2
1東京大学医学部脳研究所
2東京大学医学部精神医学教室
1Institute of Brain Research, Faculty of Medicine, University of Tokyo
2Department of Neuropsychiatry, Faculty of Medicine, University of Tokyo
pp.587-592
発行日 1964年7月25日
Published Date 1964/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904118
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1)大顆粒分画を等張蔗糖液に浮遊した場合,0℃〜4℃ではすくなくとも180分にわたつてAChの遊出はおこらない。37℃では15分で50%,30分で70%,60分で100%のAChが遊出される。
2)低張蔗糖液にくらべて緩慢ではあるが,高張蔗糖液内でもAChの遊出が観察される。
3)K+は粒子内AChの遊出を促進する。K+による遊出はCa2+(3mM,6mM)によつて増強される。Mg2+(6mM,20mM)はK+による遊出を抑制するが,Ca2+の存在下ではこの抑制作用をうしなう。
4)Na+は粒子内AChを維持する方向にはたらく。Ca2+はこの作用を阻害するが,Mg2+は影響を与えない。
5)以上のCa2+,Mg2+の作用はNa+またはK+と共存する場合に発揮されるものであり,それぞれ単独に用いられる場合には作用を示さない。
6)反応液に比較的高濃度のAChを加えるとその一部は顆粒に結合する(ただし結合の一部は内在ACh遊出抑制としても解釈される)。
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