書評
—問田 直幹・内薗 耕二 編集—新生理学〔上巻 動物的機能編〕
本川 弘一
1
1東北大
pp.569
発行日 1960年6月1日
Published Date 1960/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406200945
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この度,問田・内薗編「新生理学」上巻が出版されたことはいろいろの意味で重要な意義をもつている。その第1は,現在日本の生理学の第一流に立つ人々がほとんど総動員され,執筆陣に加わつていることから,本書は日本の生理学の水準を示すものであること,第2は本書が従来のどの教科書にくらべても内容が豊富で水準が高いということである。このことは時代の要求が然らしめたとはいえ,編集者の意識された努力,執筆陣の緊密な連絡,団結の賜であることはいうまでもない。
従来はイギリス,アメリカ等には大教科書が多く,ドイツ,日本などには大教科書というべきものはなかつた。これは主として教育法の相違によるものであつて,前者ではスモールグループの教育法が採用され,後者では講義を主としたラージグループの教育が行われたことによるものと思われる。
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