旅行記
回想の神経病理学研究所
平沢 一
1
Hajime Hirasawa
1
1京都大学医学部精神科
1Department of Psychiatry, Kyoto University
pp.426-428
発行日 1959年5月1日
Published Date 1959/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406200799
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ボンを訪れる外国人は必ずベエトオヴエン・ハウスに行く。天井の低く狭い屋根裏部屋が楽聖誕生の部屋であり,彼の胸像と橄欖の葉の環だけがおかれている。ドイツ人は,この狭い部屋から偉大な音楽家がうまれたことに,襟をただすような感動に打たれる。然しこの部屋の貧弱さと彼の栄光との間には,余りにも大きな隔たりがあって,我々日本人にはある戸惑いの感じを与える。
このベエトオヴエン・ハウスを出てベルタ・フオン・ズツトナア広場を横切り,ケルン通りを北に約5分歩くとウイヘルム広場に来る。この広場を狭んでボン大学神経病理学研究所と内科外来・神経外科とが向いあつている。
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