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Medical Literature Abstracts
pp.184-186
発行日 1951年5月1日
Published Date 1951/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406200199
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人胎兒及び幼兒の腦細胞の體外培養
Brain cells from human fetuses and infants, cultured invitro after death of the individuals.
Mary Jane Hogue
AnatomocalRecord, vol. 108 pp457-476. 1950.
過去7年間人胎兒の腦細胞の組織培養法を研究して來たが,研究が進むにつれて漸次人胎兒の腦細胞がその胎兒の死後直ぐ全部が死ぬのでなくて時には數日も生きているととが明かになつて來た。
121個の人胎兒の腦,1日,5ケ月の幼兒の腦の前頭葉,側頭葉の皮質,尾状核,海馬回,側腦室壁,小腦,延髓から組織片をとり0.85%食鹽水中に入れ6℃に保つ。この6℃に保った組織片は死後9日までは組織培養か出來た。9日以上經つと組織培養しても成功しなかつた。培養基には人の胎盤血清3—4滴を入れた鷄胎兒のエキス6ml, Tyrode 6mlを混ぜたものを使い,hanging dropの時には2—3日に1滴,roller tubeを用いた時には3—4日に約12滴加えつゝ37.5℃の恒温槽の中で培養する。ネウロンと乏枝膠細胞とを含めた人腦細胞を長いのでは323日以上も生かすことが出來た。ネウロンの細胞は組織片の中では細胞突起の間を早く移動して組織の表面に達すると動きがにぶり突起を出すに至る。ネウロン,乏枝膠細胞,プルキンエ細胞はその大さ,形,その他の特性で識別出來る。この實驗で胎兎と死産兒の神經細胞とグリヤはその個體が死んでも,直ぐ死なず暫くは生きていて組織培養が出來る事が解かつた。
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