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第5回日本腦・神經外科研究會抄録
松下 一人
1
,
高橋 杏介
1
,
西澤 重男
1
,
飯野 恒三
1
,
中島 尚
1
,
鈴木 莊六
1
,
荒岡 弘
1
,
荒木 千里
2
,
吉田 直哉
3
,
中島 喜敏
4
,
川淵 純一
4
,
井上 圭爾
5
,
保田 岩夫
6
,
大塚 義彦
6
,
山川 淸次
6
,
竹內 一夫
4
,
近藤 駿四郞
4
,
小川 芳彦
7
,
小澤 凱夫
8
1千葉大學醫學部田坂内科教室
2京大外科
3造幣廳病院外科
4東大清水外科
5岡山大學醫學部陣内外科
6京都府立醫科大學整形外科教室
7大阪大學醫學部第一外科教室
8阪大第一外科
pp.298-300
発行日 1950年9月1日
Published Date 1950/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406200144
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昭和25年4月2日(その一)東京大學醫學部内科講堂
〔1〕合成ビタカンファー(トランスパイオキソカンファー)の腦温に及ぼす影響に就て
わが教室に於ける腦温研究の一端として著者は雄性成熟家兎を用い,一定量のトランスパイオキソカンファー,(トランスパイオキソカンファービタミンC),パラオキソカンファーを耳靜脈内,頸動脈内,椎骨動脈内,腦槽腔内に注入し,わが教室に於て確立せる熱電氣的方法により腦温と腦血行温並びに臟器温,(肝,直腸,筋)との相關を健常時,中樞麻痺状態及び諸種病的状態に就て觀察し未だ文献に見ざる結果を得たるを以てその大要を報告する。
健常時にはトランスパイオキソカンファービタミンCによる腦温,腦血行温,臟器温の上昇が最も著明にして,トランスパイオキソカンファーこれに次ぎ,パラオキソカンファーは殆んどその作用が認められない,而して脳に於ては視丘下部が最も強い温上昇の傾向を示し,且椎骨動脈内及び腦槽腔内注入時の温上昇が他の場合に比し高度である。腦幹及び腦皮質下鎭靜劑により前處置せる場合,チフスワクナンを反復注射せる場合或は實驗病巣感染時等の病的状態に於ては,健常時に比して温變化が極めて輕微である。
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