Japanese
English
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錐體路の罹患をしめす1つのあたらしい反射—U反射
A New Reflex Showing the Affection of Pyramidal Tracts:the U-Reflex
山本 豊
1
Yamamoto, Yutaka
1
1財團法人臨港病院内科
1RINKO Hospital. Foundational Juridical Person
pp.223-226
発行日 1950年7月1日
Published Date 1950/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406200125
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I.まえがき
臨床上錐體路に器質的異變がどの程度におよんでゐるかを判斷するためには,足搐搦,膝搐搦などとともに,一聯の廣義のBabinski氏反射を1つ1つ丹念にしらべてみなければならないはずであるのに,そして本質的にはこれら諸反射のあいだにはかくべつ鋭敏度に甲乙があるわけでないのに——このことはある同一症例について經過をひきつゞき觀察しているとき,短時日のあいだにはじめでていたA反射があらわれなくなり,でていなかつたB反射がでてきたりすることによつて理解される——なぜ一部の人をのぞいて,一般の人びとには狹義のいわゆるBabinski氏反射のみがとくべつにひいきされているのだろうか,さらに「體部位と刺戟の質と量」の3條件こそ,これら反射所見の肉體的表現を支配する3要素であるのではないかとかんがえてみたのがそもそもの出發點であつた。そして廣義のBabinski氏反射について平生私がいだいていた「體部位と刺戟の質と量」という三條件の總合によつてしめされる肉體的表現のありさまをたまたま診ていた症例についてしらべているあいだに,1つのあたらしい錐體路障碍の症状をみいだしたので記載しておきたい。
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