Japanese
English
--------------------
皮質電流現象と大腦皮質細胞との層的關係について—猫大腦皮質の熱凝固による實驗的研究
Changes of electrical cell activity induced by the laminar thermocoagulation.
堀川 良平
1
Horikawa, Ryohei
1
1新潟大學醫學部精神病學教室
1Neurological Dept., Niigata Univ.
pp.209-213
発行日 1950年7月1日
Published Date 1950/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406200122
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
中樞神經系の主要構成要素である各種神經細胞は只に大腦皮質に於けるのみならず,その所在神經の如何をとわず特長的律動的な電位變動を示し,しかも之等の電位變動は各中樞の機能再現と密接に關聯するばかりでなく,その特異な細胞構築的構成わ更に之等電位變動の樣態をきわめて特長的なものとする。斯る事實について,澤はすでに人の脊髓の電位變動を記録して,それが脊髓の細胞構築像ならびに之が機能と明らかに對應する變動を示すことを報告したのである。
ひるがえつて頭蓋頭皮上から誘導して得られる腦波(EEG)乃至は腦表面より直接誘導して得られる皮質電流現象(ECG)の形成には大腦皮質細胞の電氣的活動が少くも一義的な意味をもつことはDusser de Barenne及びMc Culloch2)伊藤及び懸田3)等の基礎的,實驗的研究の示すところであるが,大腦皮質各層の夫々構成を異にする細胞群が全く對等平等な關係においてEEG或はECGの成立に參與するものとは考えられない3)本研究の目的は之等皮質各層の細胞群が如何なる態度乃至は配分のもとにECG成生に關與するかを追究することにあるのであり,且又このことは大腦皮質層の機能的層的局在性を闡明する上にも一寄與となり得るものと信ぜられるのである。
Copyright © 1950, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.