Japanese
English
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大腦皮質から小腦に至る連絡に就て
On the Connection from the Cerebral Cortex to the Cerebellum.
平澤 興
1
Hirasawa, Ko
1
1京都大學醫學部解剖學教室
1Medical Dept., Kyoto Univ.
pp.359-368
発行日 1949年11月1日
Published Date 1949/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406200068
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大腦皮質から小腦に至る纎維的連絡を考える場合に生ず忘れてならぬことは,1)系統發生的に見ると,小腦は大腦皮質の存在を豫定して存するものではなく,動物の進化につれて大腦皮質が高度の發育をとげても小腦は神經作用頭端移動の法則には從わず,大腦皮質と同一方向の發育をとげること,2)從つて大腦皮質と小腦と進絡は從屬的關係というよりは,むしろ並立的關係で互に興奮の交換が行われると見るべきであるということである。
大腦皮質と小腦との連絡は,從來一般に簡單に考えられ過ぎて來たが,今日もまだ決して完全に解決された問題ではなく,普通考えられているよりも遙かに複雜な問題である。從つてこの問題について完全な記載を行うことは今日はまだ不可能のことであるが,今日迄の經驗を基礎とし,從來の研究報告をも顧慮して,大局からこの問題を一瞥して見よう。
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