Japanese
English
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電氣刺戟的に見たる大腦皮質運動領の異型例に就て—附 運動領概念及び運動領電氣刺戟に際する動搖の問題に就て
On abnormal cases of cerebral motor cortex from electrically stimulating standpoints:Appendix—On problems of the conception of motor area and the fluctuation in electrical stimulation of motor area,
陣內 傳之助
1
Jinnouchi, Dennosuke
1
1岡山醫科大學
1Medecal Okayama Univ
pp.135-142
発行日 1949年3月1日
Published Date 1949/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406200023
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緒言
大腦皮質運動領の存在が初めて知られたのは,既に遠く1691年Robert Boyleの臨床經驗に始まるのであるが,その後1864年Hughlings Jacksonにより,さらに1870年Fritsch u. Hi-tzigの大腦皮質電氣刺戟實驗によつて,反對側の四肢に單運動を起す部分があることが知られた。次で1873年David Ferrierは,猿に於てその"hand area"の剔除によつて反對側の手に運動麻痺が起ることを經驗し,かくして生理學的に運動領なるものの概念が確立せられ,その後これに關する研究が,多くの諸家によつて行はれるようになり,Vogt, Sherrington Kraus, Foerster, Beevor-Horsley等によつて,それぞれ運動中樞の配例を示す模式圖が發表されるに至つた。
一方に於て,Brodmann, Vogt, Economo u. Koskinas, Flechsig等による大腦皮質の解剖學的研究により,細胞構築學的に分野圖が發表せられ,この運動領といふべき部分が前中心回轉に存し,Betz巨大錐體細胞を有するarea giganto-pyramidalis即ち,Brodmannのarea 4に相當することがわかつてきて,解剖學的にも運動領の概念が定まつてきたのである。
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