特集 眼科臨床の進歩Ⅱ
電氣泳動法に就て
菅 一男
1
,
中西 寬
2
1三重醫大眼科
2三重醫大眼科教室
pp.755-760
発行日 1953年11月10日
Published Date 1953/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410201630
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19世紀の始めにロシヤの物理學者Reussは濕つた粘土中に2本のガラス管をさしこみ,管の中に水を滿し,電極を入れ,電流を通ずると陰極のガラス管内の水は透明なるに,陽極のガラス管内の水は乳濁する事によつて,此の際,粘土の粒子が陽極に移動する專を見出した。此の樣にコロイド溶液中に直流電壓を加え正に荷電した粒子が陰極に,負に荷電した粒子が陽極に向つて移動する現象を電氣泳動(Electrophoresis)と稱す。
電氣泳動の測定に於て最も根本的な問題は如何にしてコロイド粒子の移動を觀測するかである。勿論直接肉眼的には見えないから適當な工夫が必要で,その方法にしたがつて電氣泳動の實驗は大體次の3つにわけられる。
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