Japanese
English
脳・脊髄のMRI画像アトラス
大型脳動脈瘤に対する造影MRAの有用性
The Usefulness of Gadolinium-enhanced MR Angiography for Large Cerebral Aneurysm
佐藤 光夫
1
,
仲野 雅幸
1
,
笹沼 仁一
1
,
浅利 潤
1
,
渡邉 一夫
1
1(財)脳神経疾患研究所附属南東北福島病院脳神経外科
pp.542-543
発行日 2003年6月1日
Published Date 2003/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406100504
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- Abstract 文献概要
症 例 81歳,女性
主 訴 頭重感
既往歴 特記すべきことなし。
現病歴 78歳時,頭重感を主訴に当科を受診した。来院時神経学的異常所見はなかった。
画像所見 頭部単純CTにて最大径2.0 cmの等吸収域のround mass lesionがbasal cisternのやや右寄りに認められ,脳動脈瘤あるいは髄膜腫が疑われた。精査目的に後日頭部MRIを施行した。MRI上mass lesionはflow void signを呈し,脳動脈瘤と考えられたためMRAを行った。非造影time-of-flight(TOF)MRAの最大輝度投影法(maximum intensity projection:MIP)では,大型の右内頸動脈瘤が認められたが,この動脈瘤が描出された後の主幹動脈はわずかに描出される程度であった(図1A)。Shaded surface display(SSD)による3 dimensional(3D)MRAを作成すると左内頸動脈瘤も疑われた(図1B)。ここで造影MRA(MIPおよび3D)を施行すると右中大脳動脈と右前大脳動脈も明瞭に描出され,さらに右中大脳動脈分岐部にも動脈瘤が認められた。また,左内頸動脈瘤も明らかとなり,以上より無症候性の多発脳動脈瘤と診断した(図1C, D)。
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