Japanese
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脳・脊髄のMRI画像アトラス
多発性脳海綿状血管腫のMRI診断―gradient-echo法の有用性について―
MR Image of Multiple Intracranial Cavernous Angioma : The Usefulness of Gradient-echo MR Image
佐藤 光夫
1
,
仲野 雅幸
1
,
笹沼 仁一
1
,
浅利 潤
1
,
渡邉 一夫
1
,
花井 香織
2
1(財)脳神経疾患研究所附属南東北福島病院脳神経外科
2福島県立医科大学医学部脳神経外科
pp.172-173
発行日 2003年2月1日
Published Date 2003/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406100446
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- Abstract 文献概要
症例1 58歳女性。47歳時特発性頸髄出血にて近医で手術を受けたが,四肢麻痺が残存し,現在ほぼbed restの状態である。家族歴に特記すべきことはない。今回,食欲不振とめまい感の精査のため当院に入院した。頭部CTで左前頭葉と右側脳室体部近傍に淡い高吸収域が認められ,MRIを施行した。同部はT1強調画像とT2強調画像で高信号域と低信号域が混在する腫瘤として認められたが,さらにgradient-echo法を施行すると延髄,小脳,両側大脳半球白質に低信号の小腫瘤,いわゆる“black dots”が多数認められ(図1),多発性海綿状血管腫と診断した。日常生活動作(ADL)を考慮し,今後は経過観察を予定している。
症例2 70歳女性。家族歴と既往歴に特記すべきことはない。突然の意識障害(JCS 3)と左片麻痺(1/5)で発症し,近医に搬送された。頭部CTにて橋出血を認め,保存的に加療された。頭部MRIではT1強調画像とT2強調画像にて右橋背側に高信号域の腫瘤が認められ,さらにgradient-echo法を施行すると橋や両側大脳半球白質に低信号の小腫瘤,いわゆる“black dots”が多数認められ(図2),多発性海綿状血管腫と診断した。意識障害は徐々に改善し(JCS 1),約1カ月後当院に転院し現在理学療法を行っている。
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