Japanese
English
特集 香りと脳
2.食品の香りが脳機能に与える影響の生理学的評価
Physiological Evaluation of Effect of Food Aroma on Brain Function
小長井 ちづる
1
Chizuru Konagai
1
1日本女子大学食物学科
1Department of Food and Nutrition, Japan Women's University
キーワード:
electroencephalography(EEG)
,
event-related potential(ERP)
,
food aroma
,
amino-carbonyl reaction
,
coffee
Keyword:
electroencephalography(EEG)
,
event-related potential(ERP)
,
food aroma
,
amino-carbonyl reaction
,
coffee
pp.639-647
発行日 2005年8月1日
Published Date 2005/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406100061
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はじめに
近年,健康志向が高まるにつれ,日々の食生活の中から健康を維持しようという考えが広まり,食品成分の生体調節機能,すなわち健康増進,疾病・老化などの予防機能が注目されるようになった。従来,あまり重要視されてこなかった食品中の微量成分に関する研究も盛んに行われるようになり,これまで嗜好性を満足させることが主な役割であると考えられてきた色や味などに関与する成分の中にも,生理機能を有するものがあることが明らかにされてきた。一方,食品の香りに関しては,以前はその評価を官能検査や化学的な分析に依存していた。しかし,それらの方法は食品の嗜好性の主観的評価や成分の詳細な検討を行うにとどまっていた。最近になって,いくつかの精神生理学的な手法を導入することによって,食品の香りの嗜好性や気分に与える影響を脳機能に対する効果として評価する方法が注目されてきている。
本項では,われわれの行っている脳波を用いた食品の香りの脳機能に与える効果に関する研究の一部につき紹介する。
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