Japanese
English
研究と報告
Methylphenidate使用中に奇妙な絵画表現を呈した遷延性うつ病の1例
A Patient with Depression who Made Bizarre Drawings Bring Methylphenidate Therapy Use
中村 愛
1
,
星野 良一
1
,
安藤 勝久
1
,
小粥 正博
1
,
関根 吉統
1
,
河合 正好
1
,
森 則夫
1
Ai NAKAMURA
1
,
Ryoichi HOSHINO
1
,
Katsuhisa ANDO
1
,
Masahiro OGAI
1
,
Yoshimoto SEKINE
1
,
Masayoshi KAWAI
1
,
Norio MORI
1
1浜松医科大学精神神経医学教室
1Deparment of Psychiatry & Neurology, Hamamatsu University School of Medicine
キーワード:
Methylphenidate
,
Depression
,
Art therapy
Keyword:
Methylphenidate
,
Depression
,
Art therapy
pp.491-497
発行日 2005年5月15日
Published Date 2005/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405100064
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抄録
methylphenidateの使用中に意欲低下の改善と並行して奇妙な絵画表現を示した遷延うつ病の1例を報告する。症例は51歳の男性で42歳時に発症し,43歳時に入院歴がある。十分な休養と,抗うつ薬を使用することで抑うつ気分は改善したが,不安感,意欲低下の訴えが持続したためmethylphenidateを追加使用したところ,意欲低下が改善した。一方,絵画では写実的・具象的な内容から抽象的でグロテスクな内容に変化し,ロールシャッハ・テストでは感情が解放されやすく易刺激性が目立つようになった。しかし,methylphenidate中止後には写実的・具象的な表現内容に変化していた。このことから,methylphenidateにより,臨床観察ではとらえることのできない病的な認知機能の変化がもたらされることが示唆された。そして,この認知機能の変化は絵画という自由度の高い課題でより的確に評価できる可能性が示唆された。
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